あの大きな台風の暴風を耐えぬいたクコの果実。
ここ南房総では、クコは比較的色々な場所で見られるものの、たくさんの果実をつけた個体は決まって海岸に面した立地に生育しています。
台風通過後から3週間あまりが経過し、新しい葉の展葉も始まりました。
果実のついたシュート(枝)とついてないシュート(枝)の展葉の様子が異なるのもおもしろい現象。
果実のついたシュート(中央部)では、ほとんど新葉の展葉が始まっていないのに対し、果実がついていないシュート(画像左側)では、旺盛に新葉が展葉しています。おそらく、シュートに残存している光合成産物の量が異なっていたのでしょう。
海の塩分を含んだ飛沫に耐えうる植物体をつくるというのが、一般的な海岸生植物の戦略。
ただ、今回のクコのように、塩分を含んだ台風の暴風雨によっていったん葉がだめになり落葉してしまっても、すぐに葉を復元することができる能力というのも、海岸で生育する植物の1つの適応戦略なのかもしれません。