10月に入り、ススキ属の仲間の穂が出始めました。
南房総に見られるススキは、主に3つのタイプに分けることができます。
上の写真はその1つ、海岸沿いに広く分布する、エノシマススキと呼ばれるタイプです。
普通のススキよりも葉の幅がちょっと広く、2〜3cm。葉の縁にある突起も少なくちょっとざらつく程度。
これは、伊豆諸島などで見られるハチジョウススキ(葉幅3〜4cm,縁のざらつきなし)と、本土で見られる普通のススキ(葉幅0.6〜2cm,縁はひどくざらつく)の中間的な特徴。
このような特徴から、エノシマススキは両種の雑種だと考えられています。
伊豆諸島固有の植物が、その植物の分布域の境界付近で、本土の近縁種と間に雑種を形成している、1つの事例です。