ヤマハゼ(ウルシ科)の若木にとまるヒグラシ。
でも、普通の状態とはちょっと雰囲気が違います。
近づいて見てみると、体節の隙間から、モコモコとした白い菌叢が出ているのがわかります。
これは、菌の仲間に寄生されたヒグラシです。
菌の種類を同定するためには、このヒグラシを持ち帰り、顕微鏡で分生子の大きさや形をチェックする必要があります。
先月の長野遠征で人生初のウルシかぶれ(それも相当酷い。身体のかなりの面積に湿疹ができてずっと痒みがひかなかった)を経験したので、ウルシ科樹木へは極力近づきたくないのですが、しょうがありません。
持ち帰った個体は、まずは、マクロ撮影。
よく見てみると、白い菌叢の一部に青色の部分があります。この青色の部分に分生子(胞子みたいなもの)ができています。
調べてみると、セミに寄生して、分生子が青色になる菌は、Nomuraea属であるとのこと。
このNomuraea属には2種類あり、大小2つの分生子が生じるのが、N. cylindrospora、大きい分生子だけ生じるのが N. viridulusだそうです。
Morphology of Nomuraea :果樹研
N. viridulus …
早速顕微鏡で見てみると、楕円形や球形の小さな分生子が観察できました。大きな分生子は観察できなかったのですが、分生子ができ始めたばかりだからかもしれません。
現時点では、仮にですが、N.cylindrosppraに同定しておきたいと思います。
もう少し時間を置いてからまた分生子を見てみたいと思います。