野外で植物の種類を見分ける時には、様々な制約があります。
葉や花を手元で詳細に観察できるような標本を手に入れられれば良いのですが、そのような場合ばかりではありません。
たとえば、森林の樹冠を形成するような高木や、それを伝って上に伸びていくつる植物の場合には、葉などの標本自体を採集することが難しいことの方が多いです。
そんな時に大活躍するのが、双眼鏡。
下から見上げると、ちょうど今日の画像のような状態で見えます。シルエットにしか見えなくても、葉の形や葉の付き方(対生 or 互生)、葉の縁の鋸歯、冬芽の形状など色々な情報が得られるのです。
その他にも、樹木の樹皮や、樹皮を削った時の匂い、幹の根元から出ている萌芽、下に落ちている落ち葉、生育している立地環境等の手がかりを元に判断を下していきます。
この植物はカギカズラ。葉腋にある鉤爪が特徴で、これが確認できれば間違うことはないでしょう。