カラスウリ

2013.10.22 南房総市
2013.10.22 南房総市

秋の里山の林縁を彩る代表格。
あまり強い日差しが差さない立地に多いです。

果実の色は、成熟度合にともなって橙色〜赤色まで様々なグラデーションが見られます。
今回は、登熟の進んだものをセレクト。その深い赤色に魅了されます。

2013.10.24 南房総市
2013.10.24 南房総市

果皮を剥いてみると、黄色い中身が見えてきます。
これは、種子を取りまく”胎座”。
果物のメロンを例にすると、種と果肉との境目のあたりのグジュグジュした部分に相当します。
カラスウリもメロンはどちらもウリ科に属するので、同じような構造を持った果実をつけます。

ちなみに、黄色い部分を口に含むと、甘い!と同時に、青臭くて苦いです。
特に好んで食べるものではありません。

2013.10.22 南房総市
2013.10.22 南房総市

この黄色い胎座を取り除くと、ツヤツヤした光沢のある、焦茶色の種子が出てきます。
この光沢は、種子が乾燥するにつれて失われてしまうので、すぐに撮影します。

黄色い胎座はぬるぬるしていて取りにくいので、中身をザルにあけて、流水を流しながら作業すると取りやすいです。

2013.10.22 南房総市
2013.10.22 南房総市

種子の表面には、微細な縞模様があり、種子が乾燥してくると深いしわが形成されます。

種子の形は非常に特徴的で、両側に張り出した部分があります。

中身は真ん中の部分だけに詰まっており、この張り出した部分は一部が空洞になっています。

水辺に生育する植物の中には、浮袋の役割を果たすような構造がある種子をつくり、その種子が水によって散布されるものがあります。(例えば、果嚢が膨らんで水に浮くオニスゲの事例など)
このカラスウリの種子も一見すると、そのような水散布をする際に役立つ構造をしているように見えるのですが、詳細は不明です。