サンショウウニの殻

先日のムラサキウニに続き、もう1つ違う種類のウニの殻を紹介します。

これは、サンショウウニの殻。

ちょっと緑色を帯びた色をしており、上から見た形はまん丸ではなく、五角形に近い形状になっています。
表面には、溝のような凹凸が顕著にあります。同じウニでも全然違います。

これを拾ったのは、館山湾に面した砂浜。
実はサンショウウニの生きている状態のものを見たことがなく、生態のことも全然知らなかったので、まずは、どんな環境に住んでいるのか調べました。
すると、砂底のアマモ場でよく見られるとのこと。

アマモ場・・・、沖ノ島のアマモ場は有名だけど、館山湾全体にあるの?
疑問に思い調べると過去に詳細に調べられたデータが公開されていました。

千葉県内のアマモ場簡易データベース

これを見ると、館山湾の中で何箇所もアマモ場が存在していますね。


種の多様性調査(千葉県)報告書

この調査では、航空写真データの画像解析により、アマモ場の面積を計測されています。また、現在だけでなく、過去の航空写真も用いることで、1980年代からのアマモ場の変遷も把握することができます。とても貴重な資料です。

これによると、”館山湾(北条海岸・館山海岸)沖のアマモ場の面積は 1989 年から 2001 年にかけて 3 倍程度の増加が記 録された(図 2-11,付図E) “(資料11ページ目)そうです。
知らない間に、これだけのアマモ場が広がっていたのですね。うれしい発見です。

そういえば、最近、館山湾周辺でもコクガン(アマモなどの海草が大好物)の飛来もある!
その理由の1つがこのアマモ場の拡大でしょう。
自分は全然気づきませんでしたが、鳥はこの環境の変化を敏感に察知していたのかもしれません。

大分脱線してしまいました。
でも、このサンショウウニの殻が、海の中の変化を知る良いきっかけになりました!