毎年、5月のこの時期に咲くのが、Echinopsis属のサボテン。大体5月15日~5月20日の間に開花します。
昨日の夕方のつぼみの状態から、今日咲くだろうなと予想していましたが、見事的中。7つの大輪の花が開きました。
花の中心部、雄しべと雌しべの造形美。
早速、フタホシヒラタアブが花粉を食べにやってきていました。
ある場所ではたくさんあるのに、違う場所になると数が急に少なくなって絶滅危惧種に指定されているということはよくあることですが、このヒメウズもそのような植物の1つ。
学生時代を過ごした東京では、それなりの環境のところへいかないとなかなか見られない植物でした(東京都では絶滅危惧絶滅危惧Ⅱ類指定)。
一方、南房総では刈り取られた斜面や林縁などに普通にみられます。
高さ10cm〜20cm程度と小さく、下向きの白い花を咲かせます。
外側の薄ピンクを帯びたものは実は萼片で、内側の黄色味を帯びた5枚が花弁となります。
花が終わると、1つの花につき、3〜4つ袋果ができます。裂開した袋果の中に熟して黒くなった種子が見えます(20枚の画像から深度合成)。
5月に入ると、南房総の一部の海岸でアサギマダラが見られるようになります。
スナビキソウです。海岸の砂浜に生育するムラサキ科の植物です。
クジラのストランディングの際にお世話になったシーカヤッカーの藤田さんから、スナビキソウに集まるアサギマダラのお話を伺って以来、ずっと撮影したいと思っていました。
スナビキソウが見られる海岸の目星はついているので、空き時間に訪れると、いました!
2匹のアサギマダラがスナビキソウ群落の上を飛び交っています。
どうやら、新しい花よりも、しぼんだ花の方を好んで蜜を吸っている様子。
アサギマダラを含むマダラチョウの仲間は、スナビキソウなどのムラサキ科、ヒヨドリバナなどのキク科の植物に含まれるピロリジジンアルカロイドという物質を体内に取り込むことが知られています。
この毒性のある物質を体内に取り込むことで天敵から防御しているだけではなく、オスの個体はこの物質を性フェロモンの原料としても利用しているとのこと。
そのため、オスの個体だけが、スナビキソウに集まるわけです。
このような植物と昆虫の関係がよく進化したものだと、驚きますね。
傷んだ翅が長い南の国からの旅路を物語っています。