フウランの花

フウラン(Neofinetia falcata)の花が開花しました。
日本(関東南部以西の地域)のほか、朝鮮、中国にも分布する着生ランの1種です。
別名富貴蘭とも呼ばれ、古くから栽培されてきた歴史があり、多くの園芸品種があることでも知られています。

細身の花はなんといっても、著しく長く伸びた唇弁の距が目を引きます。この先端部分にはたくさんの蜜が出ていて、なめると甘いです。
濃い緑色をした葉は先が尖り、厚くて固く、横断面がV字となっているのが本種の大きな特徴となります。

写真で伝えることができないのが、フウランの香り。
夕方近くになるとバニラのような独特の甘い香りが漂ってきます。
この香りは、花粉を媒介してくれる夜行性の蛾類を誘引するために分泌されると言われています。
フウランの花にとっては、蛾の訪れる夜がメインの時間になるわけです。

そこで夜をイメージした黒バックで、フウランの花や葉の特徴が把握できるように撮影してみました。