直焦点撮影を試す

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

コリメート法と直焦点法

顕微鏡撮影を行う場合、コリメート法と直焦点法という、2つの方法が主に用いられます。

これまでにこのブログで紹介したきた画像は、すべて”コリメート法”で撮影したものでした。

では、そのコリメート法とはどのような方法なのでしょうか?
コリメート法と聞くと、ちょっと難しい名称に聞こえますが、撮影するのは比較的簡単(といっても凝りだすと、奥深いポイントがいくつもあるのですが)。

顕微鏡に人間が覗く時に使用する接眼レンズを普通に取り付け、人間が覗く代わりに、レンズをつけたカメラを据え付けて撮影します。
接眼レンズとセンサーの間にカメラレンズがあるために画質が劣化するのが、このコリメート法の欠点の1つ。

一方、直焦点法とはどのような方法なのか?

直焦点法では、通常の接眼レンズの代わりに専用の写真撮影レンズを取り付けます。その写真撮影レンズの上に、カメラ本体を直に据え付けます。つまり、デジタルカメラのセンサー自体に結像させて撮影する方法です。

直焦点法におけるカメラ位置の調整

直焦点法の場合には、カメラ側のレンズでピント調整をすることが出来ないため、カメラセンサーを光学的に最適な位置に持ってくることが非常に大切です。mm単位の調整作業を伴います。
この時に活躍するのが、カメラのライブビュー機能と珪藻プレパラート。ライブビューで拡大表示しながら、珪藻プレパラートの微細構造を観察し、カメラの上下させながら、最もクリアに見える位置を探っていきます。

この調整には、これまでコリメート法で撮影してきた経験が非常に役立ちました。この照明方法なら、この珪藻の微細構造が見えるはずという1つの基準ができてきたので、確実に作業を進めていくことができました。

直焦点法による画質の向上

結果は上々で、撮影画像のクリアさが増加しました。
クモノスケイソウの被殻の立体的な微細構造に魅了されます。

ただ、コリメート法が大幅に劣るというものでもありませんでした。
今後は、視野全体の様子をとらえる場合にはコリメート法で、視野の中央部付近だけをクロップして、最良の画像を求める時には直焦点法といったように、使い分けていく予定です。

初めての液浸

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コンデンサ側だけですが、初めて液浸検鏡をしてみました。
乾燥系の開口数が0.95の対物レンズを使用しているので、イマージョンオイルではなくグリセリンを用いました。

珪藻はクモノスケイソウ(Arachnoidiscus)。照明は輪帯照明。コリメート法での撮影です。

実は、できるだけプレパラートをきれいな状態に保ちたくてなかなか挑戦できませんでした(本末転倒もいいところですね)。

液浸検鏡をした感想ですが、微細構造のクリアさ、立体感がまったく違います!
検鏡後の拭き取りも予想以上に簡単でした。

今後は、ここぞという時には、コンデンサ側だけでも液浸を試していきたいと思います。

神社の極相林

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人の手が入っていない自然。これを日本で見つけるのは非常に困難です。
ですが、その原生自然の片鱗を垣間見れる場所があります。

それは、神社の社寺林。
由緒正しい神社には、広い面積の素晴らしい林が見られることが多く、豊かな生態系に育まれた希少種が数多く生息しています。

驚くべき輪帯照明の効果

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顕微鏡撮影の照明を偏斜照明から変更して、輪帯照明を試してみました。珪藻は、Biddulphia属。

使用している顕微鏡がニコンS型なので、フィルター受けの上に丸い遮光板を置きました。MWSさんのサイトで紹介されていた方法です。

この輪帯照明の効果は非常に大きいです。

上の画像を見ると、微細構造はさることながら、ガラス質の被殻の質感や立体感が出ています。
この輪帯照明で撮影された画像を見てしまうと、今までは、珪藻の微細構造が”模様”として見えていただけという感じがしてしまいます。