キンパラナガハシカ

2013.10.3 館山市
2013.10.3 館山市

林の中で見られる蚊の仲間の1種。竹の切り株などから主に発生します。

フサフサしている触角の形状からオスであることがわかります。
ですので、この個体から血を吸われる心配はありません(血を吸うのはメスだけなので)。

複眼の後ろにある、鮮やかなブルーのラインが非常に美しく、目を引きます。

ササグモ

2013.10.1 南房総市
2013.10.1 南房総市

ササグモ科の徘徊性のクモ。

ごくごく一般的な種類ですが、微細な構造には、見どころが満点。

まずは、なんといっても、歩脚の黒い棘が非常に目立ちます。
これは、獲物を捕まえる時に役だっているそうです。

また、ちょっと大きめの単眼の愛くるしい表情も魅力的です。
8個の単眼が少し歪な円環状に配置されているのがササグモ科の特徴。
今回は、一番背側にある、単眼にアイキャッチを入れています。

2013.10.1 南房総市
2013.10.1 南房総市

このササグモがいたのは、ヒナタイノコズチの花序。

曇天の空を背景にするために、カメラを地面スレスレの低い位置から上に向けて撮影しました。このような縦位置構図のローアングル撮影の場合、バリアングル液晶のある機種だと非常に使い勝手が良いですね。

ササグモの単眼の配置の特徴などは、こちらの写真の方が、わかりやすいです。

1枚目とはちょっと違うテイストで描いてみました。

ウラナミシジミ

2013.9.28 館山市
2013.9.28 館山市

翅裏の”波状”の模様が特徴のウラナミシジミ。
暖かい越冬地(南房総もその1つ)から北上して夏の終わりから秋にかけて全国的に見られるようになる、シジミチョウの仲間。

皆さんの家の近くでもこの時期にだけは、見られるかもしれません。
マメ科の植物が食草なので、河川沿い等のクズが生い茂った場所や大豆などの豆畑などが狙い目です。

ハナグモ

2013.9.28 南房総市
2013.9.28 南房総市

ユウガギクの花の上で、獲物を待つハナグモ。

小さい点のように見えるのが眼。全部で8個の単眼があります。
この単眼は、4つが前面、残りの4つが背面というように2列に配置され、広い視野を得られるように工夫されています。

サイズ的には成体だと思うのですが、ハナグモでよく見られる腹部の斑紋が見られません。
調べてみると、腹部の斑紋には変異が多く、無紋型のタイプも見られるとのことでした。

コカマキリ

2013.9.28 南房総市
2013.9.28 南房総市

コカマキリのポートレート。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

等倍の切り出し画像。
右目にピントを合わせています。複眼を構成する1つ1つの個眼がはっきりとわかります。

瞳のように黒く見える部分は、”偽瞳孔”。
常に観察している人側に動くのであたかもカマキリが瞳を動かしているように見えます。実際には、細い筒状の個眼の奥まで光が差し込んで、光が吸収されている部分が黒く見えているだけです(カマキリが意図的に動かしているわけではありません)。

アカタテハ

2013.8.28 南房総市
2013.8.28 南房総市

朝、父親が1匹の蝶を手に持ってやってきた。
普段から、鳥や蝶にはよく目を向けていて、普段とは違ったものがいるときには教えてくれたり、このように家に持ち帰ることもしばしば。
牛小屋の中に備え付けてある扇風機の中に飛び込んで動けなくなったところを捕まえたとのこと。

翅は傷んでいなかったのですが、扇風機の羽で衝撃を受けたらしく、頭部を規則的なリズムで動かすのみでまったく羽ばたかない状態でした。
父からこの蝶を受け取ってすぐに、台所の机の上で撮影したのが上の写真。

この蝶はアカタテハ。
秋になると個体数を増やすことが知られています。

ネナガノヒトヨタケ

2013.9.6 南房総市
2013.9.6 南房総市

牛糞堆肥から発生したネナガノヒトヨタケ。

2013.9.6 南房総市
2013.9.6 南房総市

前日には何もなかったところに、朝にはキノコの群生が突如現れました。昨日の雨が引き金になったのでしょうか。

2013.9.6 南房総市
2013.9.6 南房総市

まさに”一夜茸”だけあって、朝日が射す頃には傘が溶け始めています。

2013.9.6 南房総市
2013.9.6 南房総市

この夕方、堆肥の表面には、新たに発生したネナガノヒトヨタケの幼菌が観察できました。

ウラギンシジミ

2013.9.2 南房総市
2013.9.2 南房総市

翅の裏一面が渋い銀色に覆われる、ウラギンシジミ。

2013.9.2 南房総市
2013.9.2 南房総市

沢に降りる階段の枕木の上で撮影。よく見ると、盛んに何かを舐め続けています。驚いて飛び立ってしまっても、2匹ともすぐに戻ってきて、また舐め始めます。

この蝶は、動物の排泄物によく集まるので、もしかすると、ここで何かの動物がオシッコでもしたのかもしれません。
確認のため、自分の鼻を近づけて嗅いでみたのですが、特にそのような臭いを感じることはできませんでした。

ハンミョウ

2013.9.2 南房総市
2013.9.2 南房総市

赤、緑、青、紫の斑紋が散りばめられたハンミョウ。まさに真夏の地表の宝石。

背伸びのような姿勢から、自分の周辺を見回し、餌となるアリなどの昆虫を探索します。

2013.9.2 南房総市
2013.9.2 南房総市

時折、体を屈めて、休憩することも。

無造作に近づくとすぐに飛び立たれてしまうので、匍匐前進のような姿勢で静かに追いかけます。カメラを地上に押し付けて、ローアングルから撮影。ちょうど木漏れ日が差して、ハンミョウの体が輝きました。

朝日を浴びるギンヤンマ

2013.8.28 南房総市
2013.8.28 南房総市

朝の気温が20度前半まで下がるようになった晩夏の朝。

Feijoa sellowianaの枝にとまり、朝日をいっぱいに浴びるギンヤンマの雌です。
傷ついた翅がこれまでの生活を物語ります。

2013.8.28 南房総市
2013.8.28 南房総市

顔の部分に朝日が当たった瞬間。

時折吹く風にあおられる度に、つかまる脚の位置を変えながら、体勢を維持していました。

アオバナイボヤギ

2013.8.21 館山市
2013.8.21 館山市

約6500年前のサンゴの化石。

度重なる地震による隆起に伴い、現在では海抜20m程の地点で観察することができます。
大地の動きの歴史を物語る”生き証人”です。

小さな谷戸の奥にある沢沿いの露頭に、見事なサンゴの化石群が見られるのは、圧巻の一言に尽きます。

木立に囲まれた暗い沢の中なので、ライティングを工夫しました。
普通にカメラに付けたフラッシュを当てると、のっぺりとした臨場感のない写真になってしまいがち。

こういう時は、三脚にカメラを据え、ワイヤレス制御のフラッシュを手に持って自分が動き、意図したところからフラッシュを焚きます。1枚撮影するごとに写真を確認し、フラッシュを焚くベストの位置を探ります。
露頭表面の陰影を際立たせ、化石の立体感が表現できるよう心がけました。

2013.8.21 館山市
2013.8.21 館山市

露頭のすぐ下を流れる沢の様子。
少量ですが、澄んだきれいな水が流れています。
流れのわきには、転石の中に混じって、キクメイシの仲間の化石も見られます。

ヒガシニホントカゲ

2013.6.9 南房総市
2013.6.9 南房総市

家の周りでみるトカゲの仲間はほとんどがカナヘビで、ヒガシニホントカゲはなかなか見ることができません。
(千葉県では、絶滅危惧Ⅰ類に指定されています)

ただし、いるところにはいるもので、ここのフィールドでは見かけるトカゲのほとんどがこのヒガシニホントカゲでした。

2013.6.9 南房総市
2013.6.9 南房総市

見つけるには、南斜面で日がしっかりと当たると同時に、水が滲み出している場所が近くにあるような斜面下部の場所が狙い目かと。たくさんの個体が日向ぼっこをしていました。

それにしても、このトカゲの幼体の尾の部分のメタリックな青の色彩は非常にきれいですね。