洞窟からの眺め

2013.11.30 館山市
2013.11.30 館山市

日が暮れるのが早いこの時期。
16時前には林内での撮影は厳しくなりますね。

そこで、海岸沿いのマント群落を探索します。
10月半ばの台風の影響は大きくて、北西に開けた場所の落葉樹の樹木の葉はほとんどなく、林床は落葉・落枝で覆われてしまっていました。
状態の良いものを探すには、足で稼ぐしかありません。

今日の写真は探索の途中で見つけた光景。
西向きに開けた洞窟から撮影しました。
鏡ヶ浦の海の向こうに洲崎灯台、その奥には伊豆半島の天城山系の山並みが見えます。

前日までの強い西風が嘘のような、穏やかな海の光景でした。

アカガシのどんぐり

2013.11.27 館山市
2013.11.27 館山市

暖かい日差しを浴びて耀くアカガシの堅果。

アカガシを含むコナラ属アカガシ亜属の殻斗(どんぐりの”帽子”と一般的に呼ばれる部分)は、鱗片が合着して同心円状の環が並ぶのが特徴。

ちょっと丸みを帯びたフォルムがかわいいどんぐりです。

秋の彩り

2013.11.27 館山市にて採集
2013.11.27 館山市にて採集

サルトリイバラの果実が色付いてきました。
まさに秋の彩り。

実付きの良い個体が少ないので探すのになかなか難儀しました。
今まで”実付きの良い個体はどこに生育しているのか?”という視点が欠けていた証拠。
しっかりテーマを持ってフィールドに出ないといけないと反省しました。
色々と巡っている中で、やっとコツが掴めてきて、現場でのヒット率が徐々に上がってきました。

上のサルトリイバラは、自然光を利用した簡易撮影台を作って撮影しました。
といっても、家にあるありあわせのもので作る簡単なもの。

小さな机の上に障子紙を敷き、その上に被写体を載せています。
撮影の際に小さなゴミが落ちたり、汚れが着いたりするので、この障子紙にはプラスチック障子紙のタイプが便利です。
これなら、簡単な汚れなら水拭きで簡単に落とすことができます。
年末の大掃除の時期が近いので、近くのホームセンターで簡単に手に入るでしょう。

メインライトは、午前中に縁側に差し込む光で、この光を障子紙で拡散させて大きな面光源としています。
あとは、ディフューザーを取り付けたストロボ1灯とレフ板で光の具合を調整して、縁側撮影スタジオの完成です。

オオトビサシガメ

2013.11.23 南房総市
2013.11.23 南房総市

2cm以上もある巨大なサシガメの仲間。

林道脇のイヌビワの葉の上にいるところを撮影。午後になって日が陰った状態で、動きは緩慢な個体でした。

一見すると茶褐色の地味なサシガメですが、じっくり観察すると、精巧な翅の模様等の見るべきところがたくさんあります。

2013.11.23 南房総市
2013.11.23 南房総市

サシガメといったら、太くて長く伸びた口吻。この口吻を他の昆虫に刺して捕食します。
刺激を与えると人間も刺されることがあり、しかも”激痛”らしいです。

このオオトビサシガメはサイズが巨大だけあって、この口吻にも迫力があります。

渡り鳥の視点から

2013.11.23 南房総市
2013.11.23 南房総市

スダジイの萌芽枝の向こうに光輝く館山湾、鏡ヶ浦の海が見えます。
一番奥の淡い島影は伊豆大島のもの。

これは、三芳地区の金毘羅山の山頂からの眺め。
館山低地から三芳方面を見て、一番高く見える山。

鳥見の先輩によると、この金毘羅山で生じる上昇気流によって高度を上げた猛禽類(ハチクマ、サシバ、ノスリなど)が洲崎方面へ向かって渡っていくそうです。

この時も、人影に驚いたノスリが1羽飛び立ちました。
翌日の風を待って待機していた個体かもしれません。

渡り鳥と同じ視点で地形を眺めると、下から見上げるいつもの地形が、また違った意味を帯びながら見えてきます。

青空にオギの穂が揺れる

2013.11.23
2013.11.23

今年は11月中に大霜が2回も降りました。ここ数年来なかったことです。

オギの葉も黄色くなり、その穂が風に揺れて、青空に映えます。まさに深まる秋の光景。

季節に追い立てられるように、撮影が続きます。

今年もやってきた冬の風物詩

2013.11.17 南房総市
2013.11.17 南房総市

晩秋の暖かい陽だまり。
柔らかい日差しを浴びたマテバシイの葉っぱをめくると、いました!
オオキンカメムシ。

このオオキンカメムシ、夏の間に日本海側にいた個体が、越冬のために南へ移動します。
南房総もよく知られた越冬地の1つ。

2013.11.17 南房総市
2013.11.17 南房総市

娘も興味津津。実は娘のどんぐり拾いに付き合い、その途中で見つけたのでした。

コフキカラタチゴケ

2013.11.9 南房総市
2013.11.9 南房総市

やや黄色みを帯びた灰緑色の樹状地衣。
池脇の堆積岩の露頭にて撮影しました。

コフキカラタチゴケの隣に見える葉状地衣は、タカハシウメノキゴケ(Hypotrachyna osseoalba)。

イソギク

2013.10.27 館山市
2013.10.27 館山市

千葉県の準絶滅危惧種ですが、南房総の海岸では群落を形成している姿が比較的普通に観察することができます。

分布域は、伊豆諸島と本州の静岡県御前崎~千葉県犬吠埼にかけての地域。伊豆諸島で種分化したものが、本州に再上陸して分布を広げたとされています。

植物地理学の分野では、北は八ヶ岳・赤石山脈から関東山地、富士箱根火山をへて伊豆半島に、東は房総半島まで、そして南は伊豆諸島のこれらの地域にだけ特異的に分布する植物の一群のことを”フォッサマグナ要素”と呼びます。イソギクはこのフォッサマグナ要素の代表的なものの1つ。

晩秋に入り、つぼみが膨らんできました。

オオアオイトトンボ

2013.10.30 南房総市
2013.10.30 南房総市

メタリックな青色が美しい大型のイトトンボ。

晩秋になってからも、活発に活動していることが多いです。

このオオアオイトトンボは、翅を開いて止まるのも特徴の1つ。

オヒシバの小穂に止まる連結したオス・メスの個体を撮影しました。