赤色がひときわ鮮やかな赤とんぼの仲間。
オスは腹部だけではなく、胸部から正面の額まで赤く染まります。
メスは、腹部の背側だけ赤くなります。
傷ついた翅が、過ぎ去る秋の季節を感じさせます。
赤色がひときわ鮮やかな赤とんぼの仲間。
オスは腹部だけではなく、胸部から正面の額まで赤く染まります。
メスは、腹部の背側だけ赤くなります。
傷ついた翅が、過ぎ去る秋の季節を感じさせます。
10月後半になり、房総の初冬を彩るツワブキの花が咲き始めました。
その大輪の花に早速やってきたのは、シマハナアブのメス。
朝夕の冷え込みによって、一時期の昆虫たちのにぎわいも大分少なくなってきました。
ですが、晴れた日中の陽だまりの中に咲く花の上では、活発に活動する昆虫達の姿をまだまだ観察することができます。
結実期を迎えたハマゼリ。一緒に生えているのは、イソヤマテンツキ。
海岸の砂地に生育する個体は、上の写真のように草丈は非常に低くなります。
果実の隆条(表面の隆起)は太く、そのすべてがほぼ同じ形状です。
越冬に向けて、新たに形成されたロゼット葉。光沢のある羽状複葉の様子がよくわかります。
海岸付近の磯の上や水たまりのような湿地に生育するカヤツリグサ科のイソヤマテンツキ。
護岸工事や埋め立て等により生育地がなくなり、見られる場所が少なくなってきている植物の1つ。
県南部の沿岸域にはまだ点々と生育地があり、特に南房総周辺にはこれが多産する場所がいくつか知られています。
これらの写真は、その産地の1つで撮影したもの。この産地では、地層の向きの関連からか豊富な淡水が湧き出ている場所があり、その細い水の流れや水がたまった場所の周辺にこのイソヤマテンツキが優占した群落が見られます。
台風の風雨の影響で、縮れた葉が多い状況でしたが、小穂を無事に観察することができました。
光沢のない褐色の小穂を3〜5個つけます。小穂に稜角はありません。
湿性の林の林縁などに見られるウリ科の1種。
大きさが1〜2cm程度の小さな果実をつけます。
カラスウリが赤く熟すのに対して、こちらのスズメウリは白色に熟します。
果実の表面が平滑なのも、近縁種との識別点の1つ(スズメウリ属の特徴)。
葉は卵円形で、縁には浅い鋸歯があります。基部は心臓形です。
ナス科の落葉低木。
クコの葉や果実には薬効作用があり、過去には盛んに植えられた時期がありました。
そのため、人里周辺の路傍などで今でも普通に見られます。
先日の台風の強風によって葉はなくなってしまっていましたが、この赤い果実は大丈夫でした。
秋になるとぐっと見かける場合がおおくなるセセリチョウの仲間。
後翅にある白い斑紋が小さく、円弧状に配置されているのが識別点。
台風一過の海岸の広場で、活発に飛び回っていました。
日本から中国、ヒマラヤにかけて見られるホトトギス属の1種。
和名の”ホトトギス”の由来は、この紫色の斑紋。鳥のホトトギスの胸の模様に似ていることから付けられたそうです(余り似ていない気がするのですが)。
上向きの花を咲かせて、茎に斜上毛があることが特徴。
林縁や崖地などで見られることが多いです。
ススキ草原で見られる植物の代表的な種類の1つ。
花は鐘形。先端は5裂に分かれ、やや下向きに花を咲かせます。
9月〜10月にかけて、日当たりの良い刈取草地に咲くシロバナコシオガマ。
数が少ないので、見つけるとうれしくなる植物の1つです。
一見すると普通の植物のように見えますが、実は寄生植物です(厳密には、自分も光合成しているので、”半寄生植物”になります)。
宿主はススキ。
上の写真でもススキの葉が映り込んでおり、すぐわきに生えていることがわかります。
花冠は白色の筒形で、上下に2唇に分かれます。
花の内部には、長毛がびっしり生えています。
下唇には、淡赤紫色の斑紋が見られます。
植物体全体に腺毛があり、触るとベトつくのも、特徴の1つです。
これが、その腺毛を拡大したもの。毛の先端部に粘液が分泌されていることがわかると思います。
細身なシルエットが美しいマユタテアカネのオス。ちょっと小さめの赤とんぼの1種です。
ツルボの果実の先端にとまって、縄張りを占有しています。
撮影したのは、谷底面が蓮田として利用されている谷津田の畦。
ちょっと薄暗い環境を好むので、その雰囲気を生かしました。
名前の由来は、顔面に1対ある、大きな黒色の眉状斑。
眉というより、豚の鼻のように見えてしまうのは、自分だけでしょうか?
秋の里山の林縁を彩る代表格。
あまり強い日差しが差さない立地に多いです。
果実の色は、成熟度合にともなって橙色〜赤色まで様々なグラデーションが見られます。
今回は、登熟の進んだものをセレクト。その深い赤色に魅了されます。
果皮を剥いてみると、黄色い中身が見えてきます。
これは、種子を取りまく”胎座”。
果物のメロンを例にすると、種と果肉との境目のあたりのグジュグジュした部分に相当します。
カラスウリもメロンはどちらもウリ科に属するので、同じような構造を持った果実をつけます。
ちなみに、黄色い部分を口に含むと、甘い!と同時に、青臭くて苦いです。
特に好んで食べるものではありません。
この黄色い胎座を取り除くと、ツヤツヤした光沢のある、焦茶色の種子が出てきます。
この光沢は、種子が乾燥するにつれて失われてしまうので、すぐに撮影します。
黄色い胎座はぬるぬるしていて取りにくいので、中身をザルにあけて、流水を流しながら作業すると取りやすいです。
種子の表面には、微細な縞模様があり、種子が乾燥してくると深いしわが形成されます。
種子の形は非常に特徴的で、両側に張り出した部分があります。
中身は真ん中の部分だけに詰まっており、この張り出した部分は一部が空洞になっています。
水辺に生育する植物の中には、浮袋の役割を果たすような構造がある種子をつくり、その種子が水によって散布されるものがあります。(例えば、果嚢が膨らんで水に浮くオニスゲの事例など)
このカラスウリの種子も一見すると、そのような水散布をする際に役立つ構造をしているように見えるのですが、詳細は不明です。