秋の七草として知られているオミナエシ。
近年は生育場所である草地の減少にともなって、このような群落が見られる場所も減ってきました。
遠くからでもよくわかる鮮やかな黄色の複集散花序を形成します。秋の風情を感じる色合いです。
その花序を形成している小花を拡大したもの。大きさは4mm程度。
黄色の花冠は5裂して、独特の質感があります。
筒状になった部分の内部には細毛が密生しているのがわかります。
秋の七草として知られているオミナエシ。
近年は生育場所である草地の減少にともなって、このような群落が見られる場所も減ってきました。
遠くからでもよくわかる鮮やかな黄色の複集散花序を形成します。秋の風情を感じる色合いです。
その花序を形成している小花を拡大したもの。大きさは4mm程度。
黄色の花冠は5裂して、独特の質感があります。
筒状になった部分の内部には細毛が密生しているのがわかります。
林の中で見られる蚊の仲間の1種。竹の切り株などから主に発生します。
フサフサしている触角の形状からオスであることがわかります。
ですので、この個体から血を吸われる心配はありません(血を吸うのはメスだけなので)。
複眼の後ろにある、鮮やかなブルーのラインが非常に美しく、目を引きます。
砂丘の中の一角にある自然草地。
よく見ると、あんなのも、こんなのも、色々あります!
新米の発送が一段落するこの時期、毎年訪れています。
日当たりの良い道端なのどに見られる多年草。
葉は根生葉のみ。よく見慣れた光景ですね。
花茎を伸ばして、小さな花が多数集まった穂状花序を形成します。
緑色の萼片の隙間から細かい毛が生えている柱頭が伸びてきました(上の写真)。
萼片よりちょっと短く、先端が赤いものは苞です。
柱頭が伸びきった状態。ほかのオオバコの個体からの花粉を待ちます。
雌しべが枯れた頃、4本の雄しべがが顔を出してきます(2枚目の写真の2日後の状態)。
薄紫色に見えるのが花粉の入った葯。
萼片の上に見える、反り返った薄橙色の部分が花冠です。この頃にやっと出てきます。
このように雌しべと雄しべの成熟する時期をずらすことによって、自家受精を避ける性質を雌雄異熟(dichogamy)といいます。雌雄異熟のなかでも、雌しべの方が先に成熟するものを雌性成熟(protogyny)といい、オオバコは身近に見られる雌性成熟花としてよく知られています。
ササグモ科の徘徊性のクモ。
ごくごく一般的な種類ですが、微細な構造には、見どころが満点。
まずは、なんといっても、歩脚の黒い棘が非常に目立ちます。
これは、獲物を捕まえる時に役だっているそうです。
また、ちょっと大きめの単眼の愛くるしい表情も魅力的です。
8個の単眼が少し歪な円環状に配置されているのがササグモ科の特徴。
今回は、一番背側にある、単眼にアイキャッチを入れています。
このササグモがいたのは、ヒナタイノコズチの花序。
曇天の空を背景にするために、カメラを地面スレスレの低い位置から上に向けて撮影しました。このような縦位置構図のローアングル撮影の場合、バリアングル液晶のある機種だと非常に使い勝手が良いですね。
ササグモの単眼の配置の特徴などは、こちらの写真の方が、わかりやすいです。
1枚目とはちょっと違うテイストで描いてみました。
翅裏の”波状”の模様が特徴のウラナミシジミ。
暖かい越冬地(南房総もその1つ)から北上して夏の終わりから秋にかけて全国的に見られるようになる、シジミチョウの仲間。
皆さんの家の近くでもこの時期にだけは、見られるかもしれません。
マメ科の植物が食草なので、河川沿い等のクズが生い茂った場所や大豆などの豆畑などが狙い目です。
ユウガギクの花の上で、獲物を待つハナグモ。
小さい点のように見えるのが眼。全部で8個の単眼があります。
この単眼は、4つが前面、残りの4つが背面というように2列に配置され、広い視野を得られるように工夫されています。
サイズ的には成体だと思うのですが、ハナグモでよく見られる腹部の斑紋が見られません。
調べてみると、腹部の斑紋には変異が多く、無紋型のタイプも見られるとのことでした。
野菊の仲間がにぎやかな季節になってきました。
こちらは、ユウガギク。
本当に咲き始めたばかりで、中心の筒状花(黄色く見える)のほとんどはまだ花を開いていません。
周囲の舌状花の淡い紫色の花弁も完全に開ききっておらず、初々しい印象を受けます。
コカマキリのポートレート。
等倍の切り出し画像。
右目にピントを合わせています。複眼を構成する1つ1つの個眼がはっきりとわかります。
瞳のように黒く見える部分は、”偽瞳孔”。
常に観察している人側に動くのであたかもカマキリが瞳を動かしているように見えます。実際には、細い筒状の個眼の奥まで光が差し込んで、光が吸収されている部分が黒く見えているだけです(カマキリが意図的に動かしているわけではありません)。
イチジクの旬の時期になりました。上品な甘みとネットリとした食感がいいですね。
食べる前に果実の断面を見てみましょう。
白い部分は花序軸が多肉化した部分。花序の中央部が凹んで壺状になっており、そこに多数の小さな花をつけます。上の写真では、赤い部分がその花が熟した部分です。
このようなタイプは、イチジク属に特異なもので、イチジク状果(synconium)と呼ばれます。
内部を拡大してみます。ニョロニョロのように見える部分1つ1つが花の熟した部分。先端付近に黄色いゴマ粒のような痩果が見えます。
たくさんの花が集まって熟した果序があたかも1つの果実のように見えているわけです。
底面の中央付近には小さな孔が開いており(上の写真の左端)、この孔を通って小さなハチ(イチジクコバチ)が中へ入り受粉を助けることがよく知られています。日本の栽培品種はすべて雌株で自家結実性があるので、このイチジクコバチによる受粉は行われていないのですが。
ちなみに、このイチジクはこの後、イチジクのタルトに調理してもらいました。美味。美味。
生食もいいですが、加工した方がイチジクの美味しさがひきたつ気がします。
ウラジロ科ウラジロ属のシダの一種。お正月飾りで用いられるシダとして馴染み深い。
館山市以南の地域では分布が非常に限られ、谷頭斜面上部に小さな群落を形成していることが多い。
一方で、清澄山周辺の地域では、ごくごく一般に広く分布し、高さが2m近くに及ぶ大群落が見られる(上の写真)。
同じ房総半島内でも分布の偏りがあるのがおもしろいところ。
コナラとカシワの雑種の”コガシワ”。
嫁さんが海岸近くの公園で見つけてきてくれた標本を、撮影台でマクロ撮影しました。
まず、殻斗に注目してみます。
カシワの殻斗の総苞片は長く、その先が反り返りますが、このサンプルではそうなっていません。
殻斗の総苞片が瓦重ね状に圧着するコナラとのちょうど中間的な特徴を示しています。
果実もちょっと細長い丸型で、これもカシワとコナラの中間的な形です。
千葉県では、房総半島南部の海岸地に、このコガシワが分布していることが報告されています。